東京・麻布台ヒルズの「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」で、2026年7月8日から作品空間「Light Sculpture - Flow」が再オープンしました。それにあわせて開催される特別展「宇宙の非対称性について」では、新たなシリーズ作品を世界で初めて公開。目の前にあるはずなのに触れられない光、鏡の中でしか存在しない彫刻、色彩だけで形づくられる空間など、これまでのアートの常識を覆す作品が並びます。夏から秋にかけてしか出会えない幻想的な世界は、日常を少し離れて、新しい感性と出会いたい人にぴったりの体験になりそうです。
「光」が生む新たな世界

まず注目したいのが、2026年7月8日から作品空間「Light Sculpture - Flow」の展示エリアを再オープンする「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」。この再オープンを記念して、新たな2つのシリーズ「Asymmetric Existence / 非対称性存在」と「Chromatic Existence / 色彩性存在」を展示する、特別展「宇宙の非対称性について」が、2026年10月8日までの期間限定で開催されます。これまで数多くの来館者を魅了してきたチームラボボーダレスですが、今回は「光そのものが存在になる」という新しいテーマに挑戦。光を単なる演出としてではなく、空間そのものを構成する存在として捉えた作品群は、これまで以上に鑑賞者の感覚へ深く語りかけます。作品を眺めるだけではなく、自分自身が空間の一部となりながら歩き、感じ、考える時間を過ごせることが、この特別展ならではの魅力です。
非対称の美を体感「Asymmetric Existence」

特別展で初公開される新シリーズのひとつ、「Asymmetric Existence(非対称性存在)」では、非対称の美を体験。鏡は通常、現実世界を左右対称に映し出すものですが、この作品では常識が覆されます。

現実空間にだけ存在する光の彫刻と、鏡の中だけに存在する光の彫刻が組み合わさり、一つの作品として成立しています。

目の前に見えているものと、鏡の中にしか存在しないものが一体となることで、「存在とは何か」という問いを自然と考えさせられます。鏡は単なる反射面ではなく、現実ともう一つの空間を結びつける舞台となり、鑑賞者の認識によって作品が完成します。見る角度や立つ場所によって印象が変わるため、一歩動くたびに新しい発見が生まれそうです。

色彩だけの彫刻空間「Chromatic Existence」

もうひとつの新シリーズ「Chromatic Existence(色彩性存在)」も見逃せません。赤、緑、青という光の三原色が空間を流れながら秩序をつくり出し、物体が存在しないにもかかわらず、まるで彫刻がそこにあるかのような感覚を生み出します。

一般的な彫刻は石や金属などの素材によって形づくられますが、この作品では色そのものが形を生み出します。境界線のない色彩がゆるやかに変化し続けることで、目で見るだけではなく、空間全体を身体で感じるような不思議な体験ができます。デジタルアートだからこそ実現できる、新しい芸術表現といえるでしょう。

「Dark Existence with Chromatic Order / 色彩性秩序に宿る闇の存在」
境界のない感動体験
再オープンする「Light Sculpture - Flow」は、チームラボが長年探求してきた「存在とは何か」というテーマを象徴する作品。海にできる渦には境界線がありません。それでも私たちは、一つの存在として渦を認識します。この作品は、その考え方を光によって表現しています。
無数の光の流れが秩序を持つことで、目には見えない彫刻が立ち上がり、人の動きや存在によって姿を変え続ける…、固定された作品ではなく、来館者が歩き、立ち止まり、眺めることで作品そのものが変化するため、一人ひとり異なる体験が生まれるのも見どころです。「作品を見る」というよりも、「作品の中で過ごす」という表現がふさわしい展示といえるでしょう。
また、チームラボボーダレスは、アートコレクティブ・チームラボが手掛ける「地図のないミュージアム」として世界中から注目されています。展示作品は部屋の枠を越えて移動し、他の作品と影響し合いながら境界なくつながっています。その唯一無二の世界観は、アメリカのニュース誌「TIME」が選ぶ「World's Greatest Places 2024」にも選出されるなど、国際的にも高い評価を受けています。2026年夏に始まる今回の特別展では、その世界観がさらに進化し、光と色彩、そして人の認識が織りなす新しい芸術体験が広がります。
普段は何気なく見ている「光」が、ここでは存在そのものへと変わります。夏休みのお出かけやデート、一人で静かにアートと向き合う時間にもおすすめです。日常では味わえない不思議な感覚に包まれながら、自分自身の感性を少しだけ広げてくれる特別なひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
