小さな子どもを連れて家族全員が楽しめる温泉宿へ行きたい!というファミリーにおすすめするのが、日本一の源泉数と出量を誇る大分県・別府温泉に2021年に開業した「界 別府」。別府駅から徒歩10分ほどの立地にあるこの界 別府は、チェックインからチェックアウトまで世代問わず誰もが大満喫できる家族旅にぴったりのお宿です。
この記事では、観光スポットに行かずとも楽しめるポイントを詳しくご紹介します。
電車・バス・車が使える便利な交通アクセス
地域色が強く、施設によってはこだわりのエリアに位置することもある星野リゾートの温泉旅館「界」。その中でも界 別府は、別府駅からも徒歩圏内という街の中にある温泉宿です。東京や関西から飛行機で来る場合も、大分空港から空港特急バスで約50分、車を使った場合も東九州自動車別府ICより約10分とアクセスに便利な場所にあります。
とくに乳幼児など小さな子どもがいる場合は、オムツや離乳食など状況によって急に必要となることも。界 別府は、さまざまな店舗やカフェが入る3階建てのショッピングセンター「Youmetown(ゆめタウン)」が徒歩圏内にあるので、万が一必要なものが出てきても安心です。
世代を越えて楽しめる「ドラマティック温泉街」
界 別府を子連れ家族の温泉旅におすすめする最大の理由は、「ドラマティック温泉街」というコンセプト。時の移ろいにより変わりゆく景色や情景、和紙のちょうちんが照らす石畳の路地が印象的な館内、温泉街にある土産店、夜店をイメージした空間など、とにかくドラマティックな要素が満載です。
そぞろ歩きをして外湯である湯小屋に出かけたり、庭園を散策したり。
御土物屋や遊び場などいろいろな店で寄り道をして楽しんだり、歩き疲れたら海風にふかれて足湯で一休みしたり……まさに「賑やかな別府の温泉街」を彷彿させる空間が現代建築の中に再現されています。
そんな界 別府の設計・デザインに携わったのは、数々の建築作品を世の中に発信している隈研吾氏によるもの。温泉街を包みこむ建築全体は、居心地の良い半屋外空間。外壁はホタテ貝の殻を入れた吹付材を特殊ローラーで仕上げ、貝のきらきらっとした輝きや、さざなみのようなゆらぎが海と響きあうデザインに。内部も、竹、杉、麻、和紙、別府石、白杯、豊後絞りなど自然の素材がたっぷり使われており、温泉街を演出するための工夫が施されています。
チェックイン後はトラベルライブラリーでひと休憩
界 別府のチェックインは15:00からですが、少し早めに到着したら館内にあるトラベルライブラリーでひと休憩するのがおすすめ。ご当地の歴史や文化、自然、工芸にまつわる本や、別府の地に伝わる物語のほか、子ども向け絵本があります。
このトラベルライブラリーは、滞在中であれば24時間いつでも好きな時に利用可能。コーヒーや紅茶、ハーブティーが揃っており、15時のチェックインタイムになるとウェルカムドリンクとして「かぼす緑茶」と「ゆずほうじ茶」がいただけます。ゆずほうじ茶は、子どもでも飲みやすいので、水分補給にもおすすめです。
別府湾の絶景を丸ごと味わうご当地部屋「柿渋の間」
星野リゾートの温泉旅館「界」といえば地域の色や特徴が反映されたご当地部屋が人気ですが、ここ界 別府は、全ての客室から別府湾を絵画のように楽しめる「ピクチャーウィンドウ」が特徴。
また、海の色を引き立てるため、室内の壁は別府の名所「血の池地獄」の赤から着想を得た古代色「柿渋色」が使われており、別府温泉の熱気や、温泉が薄きだす溶岩台地を表現しているのだとか。ヘッドボードやフットスローなどのインテリアには、現在の大分県である豊後国で始められた絞り染め「豊後絞り」を採用するなど、地域の伝統工芸や文化を感じる客室となっています。
ちなみにベッドの大きさはシングルが並びますが、移動してくっつけることも可能。3歳以下のお子さまであれば添い寝対応できるので、乳幼児の時に宿泊を狙うのもおすすめです。部屋全体も、寝室エリアと居間エリアがつながる広々とした空間で床も畳。乳幼児がいるファミリーもゆっくりくつろげるのは嬉しいポイントではないでしょうか。客室への貸出備品には、オムツ用ゴミ箱やふみ台、補助便座、調乳ポット、哺乳瓶洗浄セット、ベビー布団、おもちゃ、空気清浄機など揃うので、旅行の手荷物も減らせます。
そして家族旅での一推しが露天風呂付き和室。大浴場でまったり過ごすのも楽しいひとときですが、プライベートで24時間いつでも温泉を楽しめる客室露天風呂は、お子さまがいるファミリーにピッタリです。
科学実験みたい!?ラボで温泉水ミスト作り
ドラマティック温泉街を体現する界 別府は、施設内で温泉にまつわるアクティビティが楽しめるのもポイント。夕方の時間帯から通年で無料開催されている「温泉ミスト作り」は、別府の街中にある温泉の配管をモチーフにした「ラボ」で行われています。
別府温泉や入浴法など温泉の知識を学びながらビーカーやこまごめピペットを使ったミスト作りは、まるで秘密の実験をしているかのよう。10歳以上の宿泊者であれば、1回最大14名まで、どなたでも参加可能です。正真正銘の無添加スプレーですので、思いっきり贅沢に使い切ってしまいましょう。
2種の内風呂と露天風呂で肌をなめらかに整える
広場から路地へ進み、庭園の先にある湯小屋に辿り着けば、そこは温泉豊富な湯量を楽しむ大浴場。四季折々の花や実、紅葉を楽しめる庭園を眺めながら浸かる露天風呂、そして源泉かけ流しの「あつ湯」と、温泉成分を身体に浸透させるための「ぬる湯」の2つの内風呂があります。
泉質は、角質を軟化させ、肌を滑らかに整えてくれるナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉。塩分を多く含むため、湯に浸かった後も身体のポカポカが持続します。2,000以上の源泉をもつ別府温泉の中でも、界 別府の湯は肌にやさしいタイプの温泉。さまざまな泉質の湯めぐりをした後の「仕上げの湯」として入浴するのもおすすめとのことでした。チェックイン後からすぐに入浴できるため、タイミングが良ければ混雑を避けての入浴ができるのもポイント。オムツのとれていない小さなお子さまがいる場合は、ベビーバスを使っての入浴が可能です。
さらに温泉好きであれば、2025年2月末まで行われている冬の湯巡り滞在プランもチェック。ディープな別府の温泉文化と共同浴場「ジモ泉」の両方を学べるのはもちろん、地元の温泉道名人に夜街歩きツアーなど、知る人ぞ知る湯巡り体験ができます。
新鮮な魚介がたっぷりの会席料理
大分特産の竹でできた 80個の竹とんぼのシャンデリアがキラキラと浮かび上がる食事処は、落ち着いた雰囲気の空間。全てプライベート感のある半個室ですので、周りを気にせずゆっくりくつろげます。
夕食は旬の食材をたっぷり使った「季節の会席」のほか、2025年5月末までの期間限定で「伊勢海老と和牛の特別会席」がいただけます。(12月30日〜1月3日は除外)
入荷された食材によって内容は異なりますが、先八寸、伊勢海老をはじめとする旬の魚のお造り、河豚の唐揚げ、和牛と椎茸のしゃぶしゃぶ、かぼす麺、甘味のやせうまあんみつなど、大分県の伝統工芸品・小産面焼きの器や竹細工といった、目にも楽しい演出とともに、前菜から甘味までノンストップで食事を楽しめます。
また、子ども用の食事も注文可能で、バランスの良い栄養素を含む伝統的な和の食材を使った食事がお目見え。「とうもろこしと豆腐のふわふわしんじょう」「揚げ鶏の照り焼き仕立て」「五色豆と海老の煮しめ」など家庭料理で作る機会が少ない料理がいただけます。
温泉街の夜店へGO!
18時半以降の「湯の広場」は夜の温泉街に大変身。子どもはもちろん、大人も夢中になれる昔懐かしの「スマートボール」や「別府八湯輪投げ」、「型抜き」といった昭和レトロな遊びが体験できます。
子ども用の館内着(90センチ〜)も用意されているので、着替えが多い乳幼児がいるご家庭には大助かり。家族みんなお揃いコーデで館内でのアクティビティや食事を楽しめるのも要チェックです。
他にも、好みの辛さで味わえる「地獄ラーメン」、溶けにくい「葛アイス」など、お祭り気分になれるイベントが盛りだくさん。
毎夜開催されるご当地楽「湯治ジャグバンド」は、豊富な温泉と、お風呂で使う道具から生み出されていく音色で大いに盛り上げてくれます。お湯の音をたっぷり聞いた後は、実際に自分で音を出す体験も。年齢制限関係なく楽しめる滞在の楽しみです。
朝陽とともに身体を目覚めさせる体操と朝食
ゆっくり身体を休めた翌朝は、日の出を望む湯の広場で「別府浜辺体操」。ゆっくり身体をストレッチさせながら目覚めさせていきます。晴れた日は、太陽が上る姿を見ながらパワーチャージできる体操に。
日の出のタイミングにもよりますが、朝陽を眺めながらの足湯もおすすめです。
地域色を感じる食材や調理法を用いたご当地朝食では、地獄蒸しをアレンジした和食膳が登場。蒸し籠蒸しをはじめ、焼き魚や里芋饅頭、出汁巻き玉子、牛しぐれ、味噌汁など胃にやさしい和食がいただきます。
チェックアウトの前に温泉絞り体験
界 別府のチェックアウトは12時とゆとりのある時間設定。毎日通年開催されている「別府温泉絞り」も、別府ならではのアクティビティです。
箸やボールを使ってゴムでくるくる結ぶシンプルな技法ですが、結び位置や結びの強さによって模様の出方はさまざま。温泉で染料を落とし、模様を浮かび上がらせ、世界にたったひとつのオリジナル木綿布が完成します。
大人グループの旅より少しだけハードルが高いとされる子連れ旅。快適なホテルステイと温泉、食事、そして充実したアクティビティが揃う界 別府は、ファミリー層に人気が高い温泉宿です。別府温泉で家族旅を考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
界 別府
大分県別府市北浜2-14-29